このサイト内の記事は、未経験・初心者の方に向けた内容です。
屋内ボルダリングへの不安や疑問の解消に、少しお役に立てられれば幸いです。ジムにより、人により、クライミングへの考え方は千差万別ですので、ここでの記事はあくまで私の体験からの一例として、ご参考程度にお読みください。

- ボルダリングって何歳からできるの?
- 早く始めたほうが上手くなる?
ジムでよく、お子さんにボルダリングを始めさせたいという方からこんな質問を受けます。
子どもの運動神経や集中力を育てたいと考える保護者の方にとって、ボルダリングは近年ますます注目されているスポーツのひとつではないでしょうか。
そして大人の目線で考えると、スポーツはなんでも早く始めたほうが良いんじゃないか、そのほうが上手くなるんじゃないかと考えるのが親心です。
私個人としてはですが、ジムでたくさんのお子さんと接する中で、実際のところボルダリング(クライミング)については、“始めるなら早ければ早いほど良いとは限らない”と感じる場面も少なくありません。
ボルダリング(クライミング)に限らずスポーツ全般において、小さな頃から始めることで運動能力を高めると言われる一方、スポーツ活動の低年齢化・競技特化の傾向も危惧されています。
元々は大人の中で発展してきたクライミングも、特に東京オリンピックやコロナ渦以降、どんどん低年齢化してきている印象はあります。
この記事では「ボルダリングは小さいうちから始めるほうがいいか?」ということについて、ジムの現場で出会う親子さんを見て感じることを書いていきます。
ジムにより課題傾向や方針・キッズスクールの有無を含め考え方は千差万別、そして「お子さんによりけり」の個人差がとても大きいテーマですので、当然すべての方に同じく当てはまるわけではありません。
あくまで、検討材料のひとつとしてお読みいただければ、と思います。
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もくじ
そもそも、利用可能年齢はジムによって違う
日本では、都市部にはもちろん無数のボルダリングジム・クライミングジムがありますし、地方でも複数のジムがあることも珍しくありません。
利用可能年齢はジムによっていろいろ。年齢制限の無いところから高校生以下は登れないところまで様々です。
たいていのジムは、ホームページやSNSなどで利用可能年齢や利用条件などを公開しています。
ちなみにほぼすべてのジムが、少なくとも小学生のうちは必ず毎回保護者の見守りが必要です。中学生も保護者同行必須のジムもあります。
主に以下の点が、ジムにより変わってきます。
条件によっては利用ができないこともありますから、必ず事前に調べましょう。
- 何歳から利用可能か
- 保護者も登る必要の有無
- キッズスクールの有無
- スクールに入る必要の有無
- シューズは借りられるか持参か
- お子様の利用可能時間帯
- お子様のご利用上のルール
- キッズエリアやキッズ壁、キッズ課題の有無
- 見守りのみの保護者の入場料の有無
お子様の利用時間帯などの制限
お子様もどの時間帯でも利用可能というジムばかりではなく、たいてい利用可能時間帯が決まっています。
「スクール生のみ利用可」とか「保護者がクライマーの場合のみ利用可」などの利用条件があるジムも。
これは、クライミングが高所からの不意な落下が前提としてあり、特に人と人との衝突事故は時に生命にかかわる事態にもなり得るくらいの危険性を含んでいるから。
ボルダリング壁は2階くらいの高さがあります。そこを誰か大人が登っている下に小さい子が入ってきてしまったら…(←登っている人の下を通ることはルール違反)そしてそこに万が一大人が上から落ちてしまったら…
想像でもその怖さがお分かりいただけると思います。
大手ジムなどキッズ専用エリアがきちんと区切ってあるところは別として、日本では個人経営の規模の小さなジムも多く、体の大きな大人と小さな子どもが混在して壁を利用することも多くなっています。
特にクライミングに慣れていないお子さんの場合、登っている人の下に不意に入ってしまったり楽しくなって大声ではしゃいだり、付き添いの小さなお子様がマットに上がってしまったりということもよくあります。
保護者の方の中にも危険性の認識が薄い方もあり、スタッフが何度お声掛けしても危機管理ができない方も正直なところ少なくありません。(お子さんが登っているのにスマホを見ているというのは完全にアウトです。が、多いです。)
状況によっては、周りの人のほうがいつも以上に注意を払いながら登る、またはお子さんがいる壁を避けるなどで事故を防いでいる場面も多く見られます。
そこで、お子様のご利用時間などに条件を付けることで、お互いに安心・集中して登れる時間帯や環境を確保する、ということなのです。
ジムによっては、「この子はきちんとルールやマナーを守って利用できるから大丈夫」と判断すれば他時間の利用や大人と同じ壁の利用を許可することもあります。テストを受けて合格したら許可、というようなジムも。
とにかくそれはジムそれぞれのやり方になりますので、ジムで確認してください。
利用可能年齢なら課題も登れる?
ジムの利用可能年齢と課題の難易度とは比例していません。
小さい子も利用可能だけどキッズ課題の設定は無く大人と同じ課題をそのまま利用する、というジムもあるように、あくまで「この年齢からジムの利用が可能ですよ」という規定であって、利用可だからある程度は登れるはずというのは違います。
つまり、
- 「ジムの最小利用可能年齢=始めるのに最適な年齢」というわけでは無い
- 「ジムの最小利用可能年齢=その年齢向けの課題」というわけでは無い
ということです。
じゃあ、例えば大人用の課題しかないなら大人専用ジムにしたらいいのに、と思われる方もあると思いますが、これは難しいところで…
「大人と一緒の課題なんて、リーチがもう無理でしょ?」と思われるかもしれませんが、解決方法が大人と違うだけで小学校低学年でも工夫したらできる課題も多いし、実際やる子はやるんですよね。
もちろんどうしてもリーチがものをいう課題もあるとは思いますが、それでも何とかチャレンジする子もいます。
クライミング観というかクライミングに対する考え方はジムによって人によって本当に千差万別ですので、いろいろな面から検討してみるのが良いと思います。


【何歳から?】=年齢より、理解力と自発性・能動性がカギ
ジムに来られるお子さんを見ていて思うのは、上達するかどうかは「何歳から始めるか」ではないのだな、ということ。
大事なのは、「課題を攻略するのが楽しい!」「もっと登れるようになりたい!」というお子さん自身の気持ちだと感じます。
例えば身近には、一般的にスポーツを始めるには遅めと思われる中学生くらいから始めて、現在はかなりのレベルで活躍している選手も何人かいます。
彼らに共通しているのは、自分の意志で始めていて、「クライミングが楽しい!」という気持ちをずっと持っていること。
誰かに言われてなんとなく競技を続けているのではなく、自分が楽しく登っている結果が競技結果に表れている、ということなんだなと思います。
逆に、未就学の頃や小学校低学年頃からずっと競技で登ってきて中学校入学を機に辞めてしまう子、というのも多く見ています。
そしてその場合、競技としてのスポーツクライミングを辞めるというだけでなく、二度とジムにも来なくなってしまうことも多いです。
競技じゃなくても趣味で登りに来たらいいのになあ…と思いますが、悲しいことに完全に離れちゃうケースも多いですね。
「順位を競うクライミングがいつの間にか辛いものになってしまって、楽しさや登る意味を見出せなくなってしまう仲間も、周りにもたくさんいた」と、大学生まで競技選手を続けてきた子が話してくれたことがあります。
下記でもう少し、私なりに深掘りしてみますね。
理解力:スポーツとしてのルールを楽しめるか
「ボルダリング」のスポーツとしてのルールを理解し、その中で楽しめるかどうかというのは、ボルダリングの継続や上達にとって年齢よりも大きな要素です。
ボルダリングは「壁の下から上まで登れればOK」というわけではなく、スポーツとしてのルールがあります。
- 指定されたスタートの条件で身体が保持できてからスタートすること
- 決められたホールド(石)だけを使って登ること
- ゴールホールドを両手で保持して完登とすること
年齢が低くても、たとえば年中さんくらいでも、このルールをしっかり理解して楽しんで取り組める子はいます。
(ただしそれより小さい年齢だと、ルールを理解して登るにはさすがにまだ難しいところがあるかな。)
でも、もっと年齢が大きくても、ルールの中で登ることを楽しめない子ももちろんいます。
うちのジムにくるキッズのお話。
年中さんのAくん。それまでは別のところで登っていましたが、そこでは小さい子は「課題」ではなく「自由に上まで登ってみようね」というスタイルだったそうです。
親子ともどもそういうものだと思って通っていたけれど、たまたまうちのジムに来てみたら「課題」というものがある。
年中さんの彼にとって、それが新鮮で、難しくて、とても楽しかったようです。お父さんに「課題ってゲームみたいで楽しい!もっと登りたい!」と訴え、こちらに通ってくれるようになりました。
Bくんは小学校2年生。お父さんやお母さんと一緒にうちのジムに通い始めましたが、彼にとっては逆に「課題」が縛りになってしまっているのが、見ていてよく分かりました。
最初の数分は課題を登っても、少しして集中が切れてしまうと「もう何でもいい!」と言って課題関係なくフリーで登っていくという日々が続きました。
お父さん・お母さんは数カ月間頑張って声掛けをし、一緒に通われていましたが、様子は変わらず。
そしてAくんがもともと通っていたところに通い始め、こちらには来なくなってしまいました。
このように、年齢というよりもお子さんによっての個人差が本当に大きいです。
どちらが良い悪いということではなく、お子さんのその時の様子によって相性の良い場所で楽しむのが良いのではないかな、ということです。
「決まったのしか使えないなんて楽しくない!好きに登ろーっと!」と課題(ルート)関係なく登る子は、小学生くらいならザラにいます。
何度かジムに通ってさりげなく促してみてもそんな様子が続くなら、「ジムで登る」「ボルダリングを楽しむ」ということがその子にとってはまだ少し早いのかもしれません。
「ルールの中で決まったルートを登ることに窮屈さを感じてしまっているかもしれない」
「まだアスレチック施設やレジャー施設で“上に登る“ということを楽しむほうがいいのかもしれない」
という判断の目安になると思います。
あ、もちろんジムで「課題じゃなくても自由に登ったらいいよ!」と言ってくれる所なら、ぜひどんどんそれで楽しんでください。
ただし、本人が気乗りしないからと課題じゃなく漫然と壁を登り続けても、目標も無く飽きてしまうだけのような気がします。そもそもただ壁を登ることは「ボルダリング」ではないですしね。
ぜひ、いつかどこかのタイミングで「課題を登る」ということにシフトできるように促してみてあげてくださいね。
ボルダリングは、自分の頭で考えて自分の身体だけを使って、ルールの中で登ってこそ楽しいスポーツです。
もう少し大きくなるまでいったん待ってみることで、今度はもっとルールの理解が進み、楽しめるようになるかもしれません。
年齢を目安にするのではなく、お子さん自身の様子を見て「今、始めどきかな?」を判断してあげてください。
自発性・能動性:「もっと登りたい!」は最大の才能
これ!
とにかくこれが、始める年齢以前に何より重要な要素です。子どもだけじゃなく大人でも、年齢関係なく同じこと。
この部分がまず、上手くなること以前に「楽しく継続すること」に必須条件。
何度も言いますが、ボルダリングは “自分で「登りたい!課題を攻略したい!」「じゃあそのために自分はどうしたらいい?」と思えること” が一番のスタートラインであり、最も大切なことです。大人も子どもも同じ。
チームスポーツじゃないので、とにかく自分自身、お子様自身が「この課題を攻略したい」という気持ちを持たなければ事が何も進まないのです。
ジムに来るお子さんを見ていても、登ることが楽しくなってきた子は目が輝いていて、見ていてすぐわかります。
自分にとって少し難しい課題に何度落ちてもチャレンジする子、登れない時に自分なりに考えて工夫しようとする子などは、自分の中に「この課題を登れるようになりたい」という気持ちをしっかり持っています。
年齢的に早い子なら年中さんくらいでも、自然と「登れない、じゃあどうしたら登れる?」と考え工夫しようとします。
そして登ることが大好きな子は、「新しい課題できてるよ!」と言うと、「やったー!楽しみ!」とワクワクしたとっても良い顔をします。
「保護者さんの手を引っ張って楽しそうにジムにやってくる」お子さんは、やっぱり伸びるスピードも違います。
逆に、誰か、例えば親御さんに言われてなんとなく登りに来ている子は、何度来店しても自分で考えるというより「次はどこ?」「その次は?」と誰かがホールドの場所を教えてくれるのを待っていたり、登れる課題ばかりを繰り返して他の課題には手を出さなかったり。
明確に「もうイヤだ!」「怖い、絶対にもう登りたくない!」と声を出す子もいます。
ちなみに、高さが怖いのは大人でも怖いです。でも、ハマっている子は怖いながらもチャレンジしますね。
そんな様子が続いた時は無理をせず、お子さんがもう少し大きくなってから改めて挑戦することで、もしかしたらまた楽しさの感じ方が変わるかもしれません。
もちろん、最初は気が進まなくても連れて行って登らせ続けるうちに楽しくなるケースもゼロではないかもしれませんが、…うちのジムではほとんど見たことはありません。
始める年齢が重要なのではなく、何歳で始めてもまずは「楽しい!もっと登りたい!」という気持ちを育てることが、ボルダリングが上手くなることには何よりもとても大事です。
どうしたらその気持ちを育てられるのか。
私が思うのは、「保護者さんの力は偉大だ」ということ。
下の参考記事で、ジムでいろいろな親子さんに接する中で感じる「保護者としてどう寄り添ったらいいか」の例を書いてみています。
これももちろんすべての子に当てはまるというわけではありませんが、ご参考になれば幸いです。
【無理のないスタートのために】まずは「楽しくなること」から
『年齢を見るのではなく、ほかの子と比較するのではなく、お子様自身の姿を見て』
もちろん、例えば「競技で活躍したい!」「日本代表になることを目指したい!」というのであれば、さすがに中学生くらいだと(小学校高学年くらいなら全然遅くないと思います)頑張らないと追いつけない部分もあるかもしれませんが、それでも年齢的に早く取り組むことよりもまずは「クライミングが楽しいという気持ち」が絶対的に必須です。
何より保護者の方の寄り添いで「登ることが楽しい!」という気持ちをしっかり育ててあげてください。
それがしっかりと太い根っこになり、根っこが太ければグングン枝葉も伸びていきます。
そして、保護者の方自身がお子さんが登っている姿を心から楽しむことが、栄養や水やりになっていきます。
保護者の方が登ったり積極的にアドバイスしなくちゃいけないことなんて無いんです。ぜひ隣で、ただ楽しんでください。
下記のサイトでは、「ボルダリング」で検索すればいろいろ出てきます。
ここに登録されている施設はアミューズメント施設やアスレチック施設から専用ジムまで幅広く、例えばボルダリング専用ジムも初心者の方大歓迎!で入りやすいところが多いと思います。
調べて、ぜひ行ってみてくださいね。
楽しい時間を!
\ボルダリングジムもたくさん載ってます!/

