
- ボルダリングって腕力がいるよね?
- 筋トレして鍛えてから始めるほうがいい?
- マッチョな人のほうが有利だよね??
- 運動経験がないから筋肉が全然無いんだよな…
ボルダリング、一見「筋力」「筋肉」こそが最大の必要要素、絶対要素と思ってしまいますよね。
ジムを付添や見学で来られた方に「登ってみませんか?」とお声掛けすると、多くの方が「いやぁ、わたし全然筋力無いから無理ですよぉ~」と言われます。
実はそれ、意外かもしれませんが、ある意味誤解なんです。
もう少し詳しく説明しますね。
もくじ
筋力に自信が無い… 大丈夫です!
例えば、日頃からウェイトリフティングなどで鍛えている、上腕も胸筋もモリモリのマッチョな人が有利なのかというと――
答えは「✖」!
ジムでも、有名トレーニングジムのTシャツを着た凄い筋肉の彼が華奢な彼女と来店、もちろん彼はかなり自信を持って課題に臨むのですが、彼女のほうがスルっと登れてしまう――というような気まずい空気が流れる場面にたびたび遭遇します。
そもそも子どもたちなんて全然筋力無いですしね。彼ら、大人と同じ課題でも本当にスイスイ登っていきます。
ボルダリングで必要な筋肉は、マシンやバーベルなどで付ける筋肉とはまた違うものであることが多いです。
筋肉の重量がハンデになったり、硬い筋肉が柔軟性を下げてしまったり関節の可動域を制限してしまったりと、かえって不利になってしまうことすらあるんです。
ちなみに、いわゆる一般的なグッとこぶしを握り固めるタイプの「握力」の強さも特に問われません。強くて困ることはないですが、このタイプの握力はボルダリングに絶対的に必要なものじゃありません。
もう少し深掘りしてみますね。
筋力に自信がなくても大丈夫な理由
筋肉だけじゃない要素が他にもたくさんある
ボルダリングの課題って、ホールドをワシっと掴んでグイグイ身体を引き上げて登るばっかりじゃないんです。そりゃあもちろん腕力があってこそ、というタイプの課題も中にはありますが、特に難易度が進めば進むほど、逆に腕力・筋力だけでは解決できないようになっていきます。
全然掴めない形状のホールドも出てくるようになり、そうなってくると他の要素も使わないと解決できません。重量の軽さや身体の柔軟性、観察力や発想力などもだんだん重要度を増してくるんです。筋肉が無いっていうのはそれだけ軽いっていうことなので、それが生きてきます。
「筋肉だけじゃない様々な要素」については、下記の記事に詳しく書いていますので、見てみてくださいね。
むしろ「脱力」が大事
実は、ボルダリングは「いかに力を使わず脱力して登るか」という側面も。
ずっと腕力任せで登っていると、腕があっという間にパンプアップしてしまい、すぐ力尽きてしまいます。また課題の難易度が上がるにつれ、常に身体に力を込めた状態ではうまく登れない課題も増えていきます。
「筋力・腕力」より大事なこと
「ボルダリングが楽しい!頑張りたい!という気持ち」
ジムには日々たくさんの「初めて」の人がやってきます。もちろん「楽しかった~!」という人もそうじゃない人もあります。
登れるかどうか、上手くなるかどうか以前に一番大切なのは「登るのが楽しい」「登るのが好き」という気持ち。
登れなくても、怖くても、また登りたい・頑張りたいと思えるかどうかってとても大切です。
誰かに言われたからやらなくちゃ、辛くて嫌だけどけど登らなくちゃ、そんな感じだと上達は難しいと思います。
「継続する力」
ボルダリングの上達には、筋力よりも運動神経よりも、何より「継続」できるかどうかが一番必要なことです。
初めて来たときに「楽しかった」という人がみんなボルダリングを続けられるかというと、残念ながらそうではありません。
ジムスタッフから見た「続けられる人」の特徴を、あくまでうちのジムでの傾向ですが、いくつか挙げてみますね。
- 難易度を上げることを急がない人
…同じ難易度の課題でもタイプの違うたくさんの数をこなす人は、こなしただけ動きやホールドに対する経験値が増え、それに応じてボルダリングに最低限必要な筋肉なども付いてきます。 - 結果(ゴールすること)だけを目標にしていない人
…とにかくゴールしたいがあまり、自分であまり考えず、すぐ誰かに登り方を教えてもらう人はなかなか続かないです。だって一番楽しい「自分の身体と相談して自分だけの解決法を探す」っていうところを端折っちゃってますもんね…。 - 登れなかった課題に諦めずに取り組む
…登れなくてすぐ諦めてしまっては、そこで成長も止まってしまいます。いったん他の課題に取り組んだ後で、登れなかった課題にもう一度向かってみると、不思議と登れたりもするものです。一つの課題に固執してしまうのは故障などにも繋がってしまいますが、一度離れて、また取り組む…その繰り返しができる人は上達します。
「腕力・筋力に頼らない動き」
ボルダリングの上達には、むしろ、腕力・筋力に頼らない動きを習得していくことこそが必要です。
課題の難易度が上がると、バランスが要求されたり、重心移動がキモだったり、柔軟性が問われたりと、筋力・腕力があるだけではだんだん解決できなくなっていきます。
ジムでいろいろな人を見ていると、筋力の無い女性や子どもたちはもともと力が弱いからこそ、意識せずこの「腕力・筋力に頼らない動き」を習得する機会に恵まれてるんだなぁと感じます。
別の筋トレをしなくてもOK!必要な筋肉が少しずつ付きます
初回に来られた方で「想像より難しくて思ったようには登れなかった」という方から、「筋トレ・握力トレして鍛えてからまたリベンジしに来ます!」と言われることがあります。
これ、実はそんなに必要ありません。というかうちのジムでいうと、この言葉を発した方って2回目に来られないことが本当に多い「NGワード」なんです…。
ボルダリングで必要な筋肉かどうかは筋トレの種類によっては違うかもしれないし、かえって不必要な筋肉が付いちゃうかもしれません。ボルダリング自体が自重トレーニングみたいなもので、登ることや課題をこなすことによって必要な筋肉・筋力・体幹が育ちます。
お家でするのは、筋トレよりむしろストレッチや筋肉ほぐしをおすすめします。
まとめ:ボルダリングは筋力・筋肉よりもっと大事なことがある
ボルダリングは「筋力がない=無理」ではないことがお分かりいただけたでしょうか。
むしろ、力任せじゃないからこそ誰にでも始められて、楽しめるんです。
最初の一歩、ぜひ勇気を出してジムの扉を開けてみてください!
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