
- ボルダリングってだいたい何歳からできるの?
- 早く始めたほうが上手くなる?
ジムでよく、お子さんにボルダリングを始めさせたいという方からこんな質問を受けます。
子どもの運動神経や集中力を育てたいと考える保護者の方にとって、ボルダリングは近年ますます注目されているスポーツのひとつです。そして大人の目線で考えると、スポーツは早く始めたほうが良いんじゃないか、そのほうが上手くなるんじゃないかと思ってしまいますよね。
実際のところボルダリング(クライミング)については、始めるのが早ければ早いほど良いとは限らないな、と感じる場面も少なくありません。
ボルダリング(クライミング)に限らずスポーツ全般において、小さな頃から始めることで運動能力を高めると言われる一方、スポーツ活動の低年齢化・競技特化の傾向も危惧されています。
この記事では「ボルダリングは小さいうちから始めるほうがいいか?」「小さいうちから取り組むことで気を付けることはあるか?」ということについて、ジムの現場から感じることをお話ししていきます。
ジムによっても課題傾向や方針・キッズスクールの有無を含め考え方は千差万別、そして「お子さんによりけり」の個人差がとても大きいテーマですので、もちろんすべての方に当てはまるわけではありません。
あくまで、検討材料のひとつとしてお読みいただければ、と思います。
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もくじ
そもそも、利用可能年齢はジムによって違う
日本では、都市部にはもちろん無数のボルダリングジム・クライミングジムがありますし、地方でも複数のジムがあることも珍しくありません。
利用可能年齢はジムによって千差万別。年齢制限の無いところから中学生以下は登れないところまで様々です。
たいていのジムは、ホームページやSNSなどで利用可能年齢や利用条件などを公開しています。
ちなみに、ほぼすべてのジムが、少なくとも小学生のうちは必ず毎回保護者の見守りが必要です。
中には、中学生も保護者同行必須のジムもあります。
主に以下の点が、ジムにより変わってきます。
条件によっては利用ができないこともありますから、必ず事前に調べましょう。
- 何歳から利用可能か
- 保護者も登る必要の有無
- キッズスクールの有無
- スクールに入る必要の有無
- シューズは借りられるか持参か
- お子様の利用可能時間帯
- お子様のご利用上のルール
- キッズエリアやキッズ壁の有無
お子様についてはどの時間帯でも利用可能というジムは少なく、たいてい利用時間帯が決まっています。
「スクール生のみ利用可」とか「保護者がクライマーの場合のみ可」などの条件があるジムも。
また、ジムの利用可能年齢と課題の難易度とは比例していません。
小さい子も利用可能だけれども課題は大人と同じものを利用する、というジムもあるように、あくまで「ジムを利用可能ですよ」という規定であって、対象年齢って書いてあるから簡単に登れるだろう、というのとは違います。
つまり、「ジムの最小利用可能年齢=始めるのに最適な年齢またはその年齢向けのジム」ということではありません。
そのあたり、下記でもう少し詳しく触れていきますね。
【何歳から?】=年齢より、理解力と自発性がカギ
ジムに来られるお子さんを見ていて思うのは、上達するかどうかは「何歳から始めるか」ではないのだな、ということ。
大事なのは、「課題を攻略するのが楽しい!」「もっと登れるようになりたい!」というお子さん自身の気持ちだと感じます。
例えば身近には、一般的には遅めと思われる中学生くらいから始めて、かなりのレベルで活躍している選手も何人かいます。
彼らに共通しているのは「クライミングが楽しい!」という気持ち。
誰かに言われてなんとなく競技を続けているのではなく、自分が楽しく登っている結果が競技結果に表れている、ということなんだなと思います。
理解力:スポーツとしてのルールを楽しめるか
「ボルダリング」のスポーツとしてのルールを理解し、その中で楽しめるかどうかというのは、ボルダリングの継続や上達にとって年齢よりも大きな要素です。
ボルダリングは「壁の下から上まで登れればOK」というわけではなく、スポーツとしてのルールがあります。
- スタートのホールドに両手を触れ、且つマットから両足を離したらスタート
- 決められたホールド(石)だけを使って登ること
- ゴールホールドを両手で保持して完登とすること
年齢が低くても、たとえば年中さんくらいでも、このルールをしっかり理解して楽しんで取り組める子はいます。
(ただしそれより小さい年齢だと、ルールを理解して登るにはさすがにまだ難しいところがあるかな。)
でも、もっと年齢が大きくても、ルールの中で登ることを楽しめない子ももちろんいます。
うちのジムにくるキッズのお話。
年中さんのAくん。それまでは別のところ(ジムではない)で登っていましたが、そこでは小さい子は「課題」ではなく「自由に上まで登ってみようね」というスタイルだったそうです。
親子ともども「まあそんなものか」と思って通っていたけれど、たまたまうちのジムに来てみたら「課題」というものがある。
年中さんの彼にとって、それが新鮮で、難しくて、とても楽しかったようです。お父さんに「課題ってゲームみたいで楽しい!もっと登りたい!」と訴え、こちらに通ってくれるようになりました。
Bくんは小学校2年生。お父さんやお母さんと一緒にうちのジムに通い始めましたが、彼にとっては逆に「課題」が縛りになってしまっているのが、見ていてよく分かりました。
最初の数分は課題を頑張っても、少しして集中が切れてしまうと「もう何でもいいから上に行く!」と言って課題関係なくフリーで登っていくという日々が続きました。
お父さん・お母さんは数カ月間頑張って声掛けをし、一緒に通われていましたが、様子は変わらず。
そしてAくんがもともと通っていたところに通い始め、こちらには来なくなってしまいました。
このように、年齢というよりも、本当にお子さんによっての個人差が大きいです。
どちらが良い悪いということではなく、お子さんのその時の様子によって合う場所で楽しむのが良いのではないかな、ということです。
「決まったのしか使えないなんて楽しくない!好きに登ろーっと!」と課題(ルート)関係なく登る子は、小学生くらいならザラにあります。何度かジムに通ってさりげなく促してみてもそんな様子が続くなら、「ジムで登る」「ボルダリングを楽しむ」ということはまだ、その子にとって少し早いのかもしれません。
「ルールの中で決まったルートを登ることに窮屈さを感じてしまっているかもしれない」
「まだアスレチック施設やレジャー施設で“上に登る“ということを楽しむほうがいいのかもしれない」
という判断の目安になると思います。
ボルダリングは、自分の頭で考えて自分の身体だけを使って行うスポーツ。そして、ルールの中で登ってこそ楽しいスポーツです。
本人が気乗りしないまま漫然と続けても、なかなか上達できるものではないんですよね。
もう少し大きくなるまでいったん待ってみることで、今度はもっとルールの理解が進み、楽しめるようになるかもしれません。
年齢を目安にするのではなく、お子さんの様子を見て「今、始めどきかな?」を判断してあげてください。
自発性:「もっと登りたい!」は最大の才能
ボルダリングは誰かに言われてやるのではなく、自分で「登りたい!課題を攻略したい!」と思えることが一番のスタートラインであり、最も大切なことです。大人も子どもも同じ。
ジムに来るお子さんを見ていても、登ることが楽しくなってきた子は表情が輝いていて、見ていてすぐわかります。
自分にとって少し難しい課題に何度落ちてもチャレンジする子、登れない時に自分なりに考えて工夫しようとする子などは、自分の中に「この課題を登れるようになりたい」という気持ちをしっかり持っています。
例えば、年齢的に早い子なら年中さんくらいでも、自然と「登れない、じゃあどうしたら登れる?」と考え工夫しようとします。
そして登ることが大好きな子は、「新しい課題できてるよ!」と言うと、「やったー!楽しみ!」とワクワクしたとっても良い顔をします。
逆に、誰かに言われてなんとなく登りに来ている子は、自分で考えるというより「次はどこ?」「その次は?」と誰かがホールドの場所を教えてくれるのを待っていたり、登れる課題ばかりを繰り返して他の課題には手を出さなかったり。
明確に「もうイヤだ!」「怖い、絶対にもう登りたくない!」と声を出す子もいます。
そんな様子が続いた時は無理をせず、お子さんがもう少し大きくなってから改めて挑戦することで、もしかしたらまた楽しさの感じ方が変わるかもしれません。
もちろん、最初は気が進まなくてもやっていくうちに楽しくなるケースも無くはないですが、…見ていて多くはない印象です。
ちなみに、高さが怖いのは大人でも怖いです。でも、ハマっている子は怖いながらもチャレンジします。
上の項でも書きましたが、ボルダリングは自分の頭で考えて自分の身体だけを使って行うスポーツ。本人が気が進まないのに登らせ続けたところで、うまく登れるようになるものではありません。
「保護者さんの手を引っ張って楽しそうにジムにやってくる」お子さんは、やっぱり伸びるスピードも違います。
始める年齢が重要なのではなく、何歳で始めてもまずは「楽しい!もっと登りたい!」という気持ちを育てることが、ボルダリングが上手くなることには何よりもとても大事です。
小さいうちから取り組むことで気を付けてほしいこと
小さい時から特定のスポーツだけ、ボルダリングだけに絞ってガンガンやり込むより、できるなら公園や原っぱで自由に走り回って身体をいっぱい使って遊んだり、いろんなスポーツを体験したりするほうが、全体的な身体能力の獲得・向上には良いと言われています。
まずそのことを知ってくださった上で、ボルダリングをする時に気を付けるといいんじゃないかなということを書いていきますね。
あまりにも怖がっていたら、決して無理しないで
お子さんが「怖いからもう絶対に嫌だ!」と泣くほど拒否しているようなら、けっして無理強いはしないで欲しいな、と思うのです。
高く足元が不安定な所に立つボルダリング。
上に登ると、下から見て想像するより何倍も怖いものです。大人でも怖く感じる高さ、小さなお子様にはその何倍にも感じます。
もちろん楽しんで登る子もたくさんいる一方で、「もういやだ!こわい!絶対に登らない!」という小さなお子さんの悲鳴のような声と、親御さんの「怖くない!登れ!」と少し怒気を含んだ声の応酬、という悲惨な状況を見ることも珍しくありません。
もちろん怖い中でも頑張って登れたらすごい成功体験に繋がるし、お子さん本人にも大きな自信になります。
でも、もし本当に恐怖を感じているところに「大丈夫、怖くない!ほら登れ!」とあんまりにも無理強いしてしまうと、「嫌だ、絶対にもう二度とやらない!」という“完全拒否”に繋がりかねません。
それって、すごくもったいないなあと思ってしまうのです。
今回は無理せずここまでにしておいて、もう少し学年が大きくなってからまたチャレンジしてみたら、今度は楽しめて登ることが好きになるかもしれないのになあって。
高学年に向かっていくと背やリーチも伸びて、少し人生経験値も増え、怖さの感じ方がまた違ってきます。
「恐怖」という感情は、人間の危険回避のための防衛本能。
「怖くない」は無いです。大人でも怖いです、怖いもんは怖い。
その感情はまず認めてあげて欲しいなと思います。
そして頑張れた時は、「ほら怖くなかったでしょ」ではなく、“怖かったけど頑張ったこと“をしっかり褒めてあげてください。
保護者さんは「体験を共有して何でも話せる人」役に
保護者の方にはぜひ、「ボルダリングのことを楽しく話せる相手」になっていただきたいのです。
小学生以下はほとんど、ジムによっては中学生までは、利用時に保護者の方が付き添う必要があります。
これは主に、大きな事故などを防ぐために設けてあるルールを一緒に守ってもらうため、という理由から。
お子さんが登ることに慣れてきて、ルールもきちんと守れ課題もレベルアップしてくると、保護者の方のやることが無くなってしまうと感じられるのか、付添い中にスマホを見たり読書をしたりという姿が見られるようになってきます。
これって実は、お子さんのモチベーションが下がってしまう原因のひとつなんだろうなと。
経験上、それは間違いないと確信しています。
こんなことがありました。
ある子が高学年になったタイミングで、付添いがお母さんから叔父さんに代わりました。もう数年登っている子なので、保護者が見ていなくてもルールは自分で守れます。
叔父さんは、「ボルダリングのことはよく分からないし」という気持ちもあったんでしょう、その子が登る姿を特に見ることもなく、スマホゲームをして付き添い時間を過ごされていました。
課題の難易度が上がり簡単には登れなくなってきていた時期とも相まって、本人のモチベーションが見るからに下がっていきました。登れない課題にチャレンジすることが無くなってしまい、「どの課題を登ったらいいか分かんない…」と途方に暮れたような様子になり、目から輝きが消えてしまいました。
スタッフは心配してずっと声を掛けたり話したりしていたのですが、なかなか気持ちは上向きません。
付き添いの叔父さんに「登る姿をぜひ見てあげて欲しい」と話しますが、叔父さんがスマホをやめることはありませんでした。
そこで、もともと長く付き添いをされていたお母さんに相談。あまり進んでジムに行きたがらなくなったことがお母さんも気になっていたようで、しっかりと話を聞いてくださいました。
『「すごい難しそうだったけど、頑張ったじゃん!」「いやーあんなのお母さんにはできないわ…」「あそこ、怖そうにしてるよね、どんな感じなの?」そんなたわいもない雑談で良いんです、ジムにいる時や生き帰りの道中で、お子さんと体験を共有してみてもらえないですか?それで様子が変わるか見たいんです。』そうお伝えしました。
そして付き添いはお母さんに再び戻り、お母さんがしっかりと実践してくださいました。
もうね、みるみる、です。
みるみるモチベーションが上向きました。驚くほど。
どれだけスタッフが一生懸命声かけても、やっぱり家族が見てくれるのが一番嬉しいんだなって実感しました。
即実践してくださったお母さんに感謝!です。
一時はもう辞めちゃうかもしれないくらいのどん底でしたが、「お母さんは見てくれてる」という信頼と安心感からなのか、今ではもう時々叔父さん(相変わらずスマホ)と来ても大丈夫。
すっかり目の輝きを取り戻し、意欲的に課題に向かい、競技成績もどんどん上がってきました。
この経験から、お子さんって、「課題が登れた!嬉しい!」というだけでなく、「登るのを誰かに見てほしい!」という気持ちを多かれ少なかれどの子も持っているんだな、と実感しました。
「ねえ、見て!」と声に出せる子は分かりやすいんですが、そんな風に言わない子も実は、大好きな家族に見てほしい気持ちを無意識に持ってるんだなって。
これ、小学生じゃなくて中学生でも、「一緒にいてほしい」はあるかもしれません。
中学生で親がついて行くなんて…とつい親としては思ってしまうところもありますが、たとえ大人でも初心者のうちはジムで常連さんにまじって一人で登るのってものすごく躊躇するもの。
誰かが一緒にいて体験を共有できて雑談できる安心感って、半端ないんじゃないでしょうか。
うちのジムは中学生は保護者同伴は必要ないですが、できれば一緒にいてもらったほうがモチベーション的には良いと思います、ということを保護者の方にはお伝えしています。
もちろんもうすっかりジムに慣れて、「来なくていいよ!」なんて言われるのなら大丈夫かなと思いますが。
保護者さんは指導者にならなくていい
体験は共有してほしいですが、決して保護者さんが「指導者」になる必要は無いと思っています。
保護者さんが登らない人は言うまでもなく、クライマーの方だとしても、そう。
クライミングに限らずどのスポーツでも、「親と子=指導者と生徒」という関係性は、ちょっと関係がギクシャクしてしまったり子どもが反発心を持ってしまったりということも多いと思います。もちろん上手くいく例もあるとは思いますが。
うちのジムで、こんな例がありました。
小学生のうちはクライマーの親御さんがお子さんに熱血指導することで上手くいっていたように見えた親子。
お子さんが中学生になった時に学校で違うスポーツを始め、年齢的にも「自分の世界」に目覚めたのでしょう。そっちのスポーツにのめり込むのはもちろん、一気にクライミングへの気持ちがゼロになってしまいました。
もともとスタッフの立場で見ていてお父さんの熱血指導に一抹の不安を感じてはいましたが、本人も楽しそうに登っていたのでまあ大丈夫なのかな、と思っていたんです。
でもとても優しい子ですから、結局無意識に「お父さんを喜ばせたい」「お父さんの気持ちに応えたい」という気持ちがあったんでしょうね。それが一気に爆発したように見えました。
別の例では、かなりのレベルで競技活動をしている選手の親子。
時々お父さんも一緒に登りますが、お父さんはいつもその子の登るのを楽しそうに見ていて、ニッコニコで「おぉーすげぇー」「いいじゃん、今のカッコ良かった」って言うくらい。
クライミングを始めた小さな頃から高校生の現在まで、何も変わりません。ただただ一貫して「楽しんでいる息子を応援する!」という気持ちにあふれています。
だからか、高校生の今でも時々お父さんと一緒に来るし、実力差はもう相当開きがあるにもかかわらずお父さんにアドバイスを求めたり、登る課題は別でも一緒に楽しんでいます。
子どもが小さいうちはまだ”本人の世界”も親御さんの手の中にあって、親御さんに指導されることにも子ども自身が違和感を持つことも無いのかもしれない。
でも大きくなってくると“自分だけの世界”がどんどん拡がり、それに比例して違和感も感じるようになるのかもなと思います。
特にボルダリングは、自立・自律を求められるスポーツ。なおさら感じやすいかもしれません。
前述しましたが、ジムスタッフとしての経験から言うと、親御さんのクライミング経験の有無にかかわらず、指導者ではなく「体験を共有して雑談のできる相手」になるのが、子どもにとっては一番いいんじゃないかなと思っています。
身体の状況をよく見て気を付けてあげて
子どもの身体って、大人とは全然違い、スポーツをした後に乳酸が溜まりにくいそうです。乳酸は生成されるけれども、分解されるのがとても速いとのこと。
だからどれだけ登っても体力無尽蔵のようにいつまでも動き続けられるし、疲れても次の日にはケロッとしてたりする。
それが、羨ましいところでもあり、怖さでもあります。
クライミングは関節や腱に大きな負担のかかるスポーツです。
“筋肉痛”で疲労を教えてくれる筋肉と違い、関節や腱はなかなか疲れを自覚することができず、痛みが出てきたときはすでに故障状態となっていることも。しかも、一度傷めてしまうとなかなかすっきり回復できなくなってしまいます。
大人の関節・腱と比べて小さくやわらかな子どもの関節・腱は、いくら体重が少ないとはいえ掛かる負担は大きいもの。
そしてそれをお子さん本人がなかなか自覚できません。
「今日も登りに行く!」「今日も!」と何日もぶっ続けでジムに登りに来たりする子もありますが、そんな時は保護者の方に「少し身体を休めたほうが良いですよ」とお話ししたりします。
たいてい「本人が疲れてないって言うので大丈夫です」と言われちゃいますが…
前述のように、子どもの身体は、疲れたという自覚を持ちにくいにもかかわらず関節や腱には大きな負担がかかっているもの。
その自覚のない疲れや負担が積み重なることで「オーバーユース」という状態になり、故障に繋がりかねません。
1日酷使したら1~2日関節や腱・筋肉を休ませることで「超回復」という状態になり、むしろ強くなると言われています。
お子さんは多分「疲れてないから登りたい」と言いますが、そこは大人が少しコントロールしてあげてください。
お子さんには「休息(レスト)を上手にとるのも上手いクライマーの技術なんだよ。」なんて、ちょっと自尊心をくすぐるようなかっこいい言い方をしてみたりします。そうすると受け入れてくれることもあるので。
また、中学生くらいで男女とも身体が変わります。
その時に、それまでの体重が軽い身体での登り方を続けると、無理の積み重ねで故障に繋がってしまうこともあります。
子どものうちから故障を抱えて登ることだけは避けたいもの。
本人は登ることに一生懸命でなかなか客観的に自分の身体の状態を見ることは難しいものです。
ぜひ保護者の方がよく様子を見て、休ませてあげるように促してみてください。
レストも、上達のための大事な技術です。
【無理のないスタートのために】まずは「楽しくなること」から
『年齢を見るのではなく、お子様自身の姿を見て』
年齢的に早く取り組むもうとするよりも、これが直接上達に結びついてきます。
何よりまず「登ることが楽しい!」という気持ちをしっかり育ててあげてください。
それがしっかりと太い根っこになり、根っこが太ければグングン枝葉も伸びていきます。
そして、保護者の方自身がお子さんが登っている姿を楽しむことが、栄養や水やりになっていきます。
ぜひ一緒に、楽しんでください。
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ここに登録されている施設はアミューズメント施設やアスレチック施設から専用ジムまで幅広く、例えばボルダリング専用ジムも初心者の方大歓迎!で入りやすいところが多いと思います。
調べて、ぜひ行ってみてくださいね。
楽しい時間を!
\ボルダリングジムもたくさん載ってます!/