
- ボルダリングは事故が起こることもある?
- それって防げるの?
- どんなことに気をつけたらいい?やってはいけないことは?
ボルダリングには
- スポーツとしてのルール
- 安全確保のため守らなければならないルール
- 皆が気持ちよくジムを使うためのマナー
があります。
特に「安全確保のため守らなければならないルール」は、大きな事故を防ぐための交通ルールのようなもの。
どこのジムでも、初めてジムでボルダリングをされる方には一番最初にそのルールや注意事項をご説明をします。
このページでは、「安全のためのルール」について詳しく解説します。
なぜそのルールを守る必要があるのか、まだ未経験の方、これからチャレンジしてみたい方にもできるだけわかりやすく説明しますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
実は、中にはその説明を軽視される方も少なからずいらっしゃいます。
それは怖さや危険性を身をもって経験していないから、だと思いますが、「知らない」ことがルールを守らないことに繋がってしまうと、ジムの中の安全で楽しい空気を乱す要因となってしまいます。
なので、このことについては少し厳しめに書かせてください。
何より、ジムの中の全ての人の安全を守るためのものだということをご理解いただきたいので…。
「スポーツとしてのルール」や「マナー」については、別のページで詳しくご紹介しています。
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もくじ
ボルダリングの安全のためのルールについて
ボルダリングの壁の高さは約4~5m程度。ゴールの頃には2階の高さほどの不安定な場所に、生身の身体で立っていることになります。
起こりうる事故の中で一番大きなダメージが予想されるのが、「上から落下する人と下にいた人との衝突事故」。
最悪の場合は命にもかかわるとても怖いアクシデントですが、これはジムの中にいる皆さんが注意事項=ルールを守ることで確実に防ぐことができます。
ジムによって少しずつ厳密さに違いなどはあるかもしれませんが、下記のものはだいたい共通です。まずはこれを知っていればだいたいどこのジムに行っても大丈夫。
それぞれ理由も書いていますので、ぜひご覧ください。
「登っている人の下・落下点に入らない」
ボルダリングは、大前提として「落ちるもの」。いったん落ち始めてしまえば軌道修正はできず、まさに一瞬のできごとです。
万が一落下点に誰かがいれば、危険な重大事故に繋がりかねません。
もし下を誰かがパタパタ通ってしまった瞬間に登っている人が落下して衝突したら…
想像するだけで怖いですよね。
それはほんの一瞬のタイミングで起こってしまうかもしれません。本当に危険なので「下を歩かないでください!」とジムスタッフから強めに注意されたりもします。
「なんだよ、ちょっと一瞬通っただけでしょ」というのは、その時がたまたま幸運だったにすぎません。
下側にいる人が気を付ければ起こり得ない事故、防げる事故です。
身体や年齢が大きいほうが責任を負うのではなく、どんなに小さくても下側にいたほうが過失は大きくなりますので、例えば「子どもだもん、バタバタしてもしょうがないよね」というのは通りません。
ボルダリング未経験の方の中には、「上手くなれば落ちないだろう」とか、「落ちないように登ればいい」と思ってる方も意外とあるのですが、どんなに上手くなっても、もちろん世界のトップ選手でも落ちます。
上達して課題が難しくなればなるほど、手は持ちにくく、足は乗りにくく、バランスが取りにくくなり、落ちやすくなっていくのです。
「落ちないボルダリング」は「上達しないボルダリング」です。自分にとって少し難しい課題に勇気を持ってチャレンジすることで上達しますが、落ちないということは挑戦していないということ。
そんなふうに皆さんが“落ちて当たり前“で集中して登っている中、もし自分の下で不用意な動きをする人が見えてしまったら…
万が一の事態を想定してしまい怖くて集中できず、登れなくなってしまいます。
“大丈夫、一瞬だから“と不用意に動くことが、他の人に「あの人がまた下に来るかも…怖くて登れない…」という精神的ブレーキをかける要因になってしまうのです。
もちろん上級者の人でも、夢中になるとつい…ということもあります。経験の長さや上達度を問わず、危ないと感じればジムスタッフも強めに声掛けします。
登っている人は誰もが落ちてくる、そう想定してジムに入ってください。
「登っている人がいる壁には登らない」
ジムでは、誰かが登っている時に同じ壁に入ってはいけません。
壁に人がいる時は壁の下に敷いてあるマットにも入ってはいけない、というジムも多くあります。
登っている人が家族や仲良しの人であっても、です。
これ↓フリー素材サイトからいただいた画像ですが…これらはAIが作成したのだと思いますが(指が6本あったりする)、どちらも接近しすぎていてアウトです。
特に左側、これはあり得ない!
誰かに教えるとして、こんな教え方はまずあり得ないです笑


そもそも課題は真上に向かって登るものばかりではなく、落ちる時は真下にポチョンと落ちることばかりじゃありません。
横向きの力が働くこともありますし勢い余って吹っ飛ぶこともありますので、接近し過ぎていると危険です。
また、登り始めて課題に集中すると視野が狭まり、周りがほとんど見えなくなることもあります。
そんな時に近くに人が登ってきているのに突然気づいたとしたら、もちろん接触したら危険ですし、怖くて登ることに集中できなくなってしまいます。
壁が違えばOKというものでもなく、もし壁が違っていても課題が接近している場合は、同じように少し様子を見ましょう。
お互いに「登ることに集中できる環境」を作る配慮をすることで、事故を防ぎつつジム内にいるすべての人が安心して課題にチャレンジできます。
「マット上に物を置かない」
これはもしかするとジムによりけりかもしれませんが、一応挙げます。
チョークバックなら持ち込みOK、なんていうジムももしかしたらあるかもしれません。
登るからには、降りるか落ちるか、とにかく下まで降りる必要があります。
この時、降りた先に物が置いてあって気付かず踏んでしまったら、足の捻挫や骨折などの大ケガに繋がってしまう可能性があります。
飛び降りた時が特に怖いですよね。
そういう理由から、マット上に物の持ち込み禁止になっているジムが多いです。
安全ルールを守って、お互いに安心感の中で集中できる環境を作りましょう!
安全ルールをしっかり守って周囲に気を配ることで
- 実際に事故が起こらないこと
- 他の人に「事故が起こりそうで怖いな、登りにくいな」という気持ちを抱かせないこと
に繋がります。
①は言わずもがな、②も実は、とてもとても重要なこと。
初心者の方は「初心者が行くと迷惑をかけてしまうのではないか」と心配される方がとても多いです。
迷惑がかかるとしたら、クライミング歴とか年齢に関係なく、この「安全ルールが守れないこと」という部分が大きな要因のひとつ。
初心者の方やお子さんのほうが危険性を認識していない方の割合が多いというだけで、もちろんきちんと守れる方には心配はまったくご無用。
クライミング歴が長くても配慮できない人はいて、周りからは「う~ん…」と思われていることもあります。
以上のように、ボルダリングの安全上のルールは「行儀良くする」という趣旨のものではなく、交通ルールのように「ジム内の全ての人の安全を守るため」のもの。
なので、「衝動的に走り出してしまう特性があるので、配慮してもらえませんか」「子どもだから少しくらいしょうがないですよね」等と言われてしまうことについては、はいどうぞとは言えません。
そういう可能性があるならなおさら、ご本人の身の安全を守るためにも、同行者の方や保護者の方にルールを守れる環境を作っていただく必要があります。
車の往来がある道路で、「衝動的に走ってしまうから/子どもだから、交通ルールを守らなくて良い/車のほうが配慮してほしい」ということにはならないですよね。
そのことをしっかり理解し、お互いに安全・安心感の中で心置きなくトライできるよう、ルールを守って楽しみましょう。
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