
- ボルダリング、ジムでのマナーってどんな感じ?
- どんなことに気をつけたらいいかな?
- 初心者だと迷惑かけちゃう?
ボルダリングには
- スポーツとしてのルール
- 安全確保のため守らなければならないルール
- 皆が気持ちよくジムを使うためのマナー
があります。このページではその中の「皆が気持ちよくジムを使うためのマナー」について書きます。
スポーツとしてのルールや安全ルール(注意事項)は下記で触れていますので、よろしければご覧ください。
もくじ
ボルダリングのマナーについて
ボルダリングジムでは、小学生以下の子どもから年齢の高い方まで、また初挑戦の方から競技選手まで、同じ空間に老若男女・レベル問わず様々な人たちが集まり、それぞれの課題に取り組んでいます。
安全面とはまた違う部分で、そこに集っている人みんなが気持ちよく登れるよう配慮する「マナー」があります。これはもちろんジムによっていろいろ強弱はありますが、だいたいにおいて同じようなものです。
なぜそのマナーが存在しているのかの理由も含めて書いていきますので、自分も周りも気持ちよく空間を共有できるよう配慮してみてください。初めて・初心者やお子様連れだと迷惑を、ルールはもちろんマナーを守ってジムを利用する人はもちろんすんなりと周りの人たちに受け入れられます。
逆に、どれだけ経験が長くともどれだけ強くとも、「自分が良ければそれで良い」とばかりにマナー違反する人なら、きっと周囲の人たちから疎まれるでしょう。
ボルダリングのマナー「壁を占領しない」
ボルダリングは一つの壁にたくさんの課題が付いていて、壁を他の人とお互いに譲り合いながら登ります。もちろん知らない人同士とも譲り合います。
登りたい課題の後ろに待機列を作って待つわけではなく、空きを見ながら入っていく感じです。なので、譲り合うには割と“空気を読み合う“みたいなことも必要な時があります。
でも、「壁なんて占領してないよ!」と思っているにもかかわらず無意識にやってしまっていることも。
例えば、
- 「スタートを連続で失敗し続けてやり直し続ける」とか「落ちてすぐまたスタートする」という状態。これは初めての人やお子さんがついついやってしまっていることが頻繁にあります。
- グループや家族で来ているとありがちなのが、1人が下りたらすぐそのグループの別の人が登り、降りたらまた…と繰り返す状態。これは経験の長い人も「セッション」という形でやってしまいがち。
これらはみんな、他の人がその壁の課題を登りたくてもなかなか入れない状態になってしまっています。つまり「壁の占領状態」です。
もしかしたらその壁にある課題を今日こそ落としたい!(成功させたい)と思ってやっとこさ時間を作ってきた人がいるかもしれない。そんな想像も働かせながら、「一度失敗したらいったんマットから降りて周りの様子を見る」ということを癖付けしてください。
たとえジム内に人が少なくても。
一度失敗したらいったんマットから降りて課題の全容を眺めながら戦略を立てる「オブザベーション(オブザベ)」をすることを癖付ければ、おのずとマナークリアになります。しかもオブザベは上達の近道!
ぜひやってみてください。
ボルダリングのマナー「動画撮影」
これは、少し上記の「壁の占領」と関わってくるかもしれません。
上手くなってくると動画を撮影する人もあります。誰かが一緒ならその連れの人が撮ってくれたりもすると思いますが、それはほとんどの場合問題ないです。(もちろん他の人の顔が判別できる状態で映っているものを許可や加工なくネットにあげるのはそもそもNG)
ひとりで来ている人は三脚を立てて撮影することになりますが、その三脚に撮影機器を取り付けたまま壁の前に置いていることで、その壁に他の人が「カメラがあるけど、登っても大丈夫なのかな?」と登りにくい状況を作ったりしていませんか?
自分が登っていない間に他の人がその壁を使いやすい状況にしておくこと、撮影時には配慮してくださいね。
ボルダリングのマナー「チョークの使い方」
オリンピックなどを見ていると、選手たちが手に粉(チョーク)を付けてパーンとたたいて余分な粉を落としているのを見ることがあると思います。わぁかっこいい!と思いますが、あれをジム内でやってしまうとマナー違反となります。
チョークはバックの中に手を入れて付け、バッグの中で余分な粉は落とします。バッグの外にたくさん散らしてしまうと床が汚れるのはもちろん、ジムで売っている商品にかかったり、パソコンや空調設備に溜まって故障の原因となったり、商業ビル内のジムなら他店舗からのクレームの原因となってしまったりと様々なところに弊害が起こってしまいます。ジムによってはそれを防ぐためにチョークの形態の指定があるところもあるくらいです。
またジムによってはロジン(松やに)入りのチョークの使用を禁じているところもあります。これはホールドの松やに汚れを防ぐためです。
今から行くジムにチョークについての指定や注意事項があるか、事前に調べてから行くと安心です。
それとチョークに付随して、ついでに一つ。
ホールドにチョークがたくさん付いていると滑りやすいため、ブラシをかけることがあります。たまに、誰かがこれから登ろうと丁寧にブラシ掛けをしてそのブラシを片付けている間に他の人がそのブラシをかけた課題を登ってしまう、ということがあります。
気付かなかったならもちろん仕方ないですが、例えば一緒にセッションしている時にそれをしたりすることはご法度です。だってその人は自分がこれから勝負をかけようと念入りに準備をしたのに、見ていた他の人に持って行かれてしまうのですから。
ボルダリングのマナー「相手の時間を奪わない」
誰かにこれを教えてもらおう!とそこにいた他のクライマーさんに「教えてください」と声をかける。
これは、とても良いと思います。良いコミュニケーションが生まれると楽しいですよね。
良いコミュニケーションはどんどん生んでください!
でも、そこからその人をまるで専属コーチかのようにずーーーっと引き留めてしまう、これはアウトです。
たまたまその人が教え好きでその人のほうからまた声をかけて教えてくれるなら、それは遠慮なく一緒にいて教えてもらってwin-win。でも、その人は自分の課題を登りたいのに「これも、あれも教えてほしい」とずっとくっついていたとしたら…
それはあなたがその人の時間を奪ってしまっていることになります。
これ、ごくたまーに見かけます。「あの人が来ると教えて教えてってなって、自分の課題を登れないんだよな…」と少しずつ人が離れて行ってしまう原因になります。
スタッフの側からも、明確に誰かから「ちょっと迷惑なんですよね」というような訴えが無い限り、なかなか声をかけて是正するのが難しいケースも。どこにも悪意はないのでね。そういう場合、なんとかしないととやんわり声かけたりしても真意が伝わらないこともけっこう多いです。
お子さんがよその大人にくっついて、親御さんはそれを微笑ましく見ている、というケースもあります。「今日も○○さんに教えてもらいなさい」「○○さんもうちの子と一緒にいて楽しそうだし」なんてこともありました。親御さんがクライマーさんではないケースがほとんどですね。
難しいところですが、こういうことが続くと下手するとジム自体から人が離れてしまう原因にもなりかねないので、ジムとしては頭の痛いところです。
「ほかの方も、自分の時間を捻出しその時間に対して料金を払ってここにいる」という意識を持てばそういうことにはならないと思います。「人の時間を奪わない」こと、これ大事です。
ボルダリングのマナー「それってその人にとって良いアドバイス?」
最後に、これは登っている人ではなく、下にいる人のことになります。
ボルダリングジムでは、だいたいにおいて初めて利用する時にルールやマナー、ジムによっては簡単なアドバイスを最初に受け、後は各自自由に登ります。その後もスタッフがマンツーマンで教えてくれるという状況は、そういうシステムじゃない限りあまり無いと思います。(もちろん、登っている途中にはスタッフが時々アドバイスしてくれることはありますが)
周りにいるお客さんがアドバイスしてくれることもあります。でも中には、内容的にそれってアドバイスかな?と思ってしまう場面も正直言ってあります。求められてない場面でアドバイスする人のことを「教えたがりさん」なんて揶揄する言葉もあります。
明らかに登れてないなという方に対して「アドバイスしてあげるよ!」と「次は手をあそこに…足はそこで…」「ホールドはこの部分を持って…」と1から10まで事細かに言ってしまう方があります。例えばよくあるのが、親御さんが子どもさんにゴールまでなんとか登らせてあげたいがあまりに、子どもさん自身が考える隙の無いくらい矢継ぎ早に後ろから指示し続けている、など。
別ジムスタッフ経験者の人から、「自分は初日でも登り方を教えて○級まで“登らせてあげる“自信がある」と言われたこともあります。思わず「…へぇ~」と生返事とともに「そこのジムにはちょっと行きたくないな…」と思ってしまいました。
「次はどこ?」「その次は?」と下からの指示を待って登ることが癖付いてしまうと、それってその人の能力の可能性を摘んじゃってるなと思ってしまうのです。そしてそういう風に誰かの指示のもとに登る人って、不思議となのか、やっぱりなのか、長く続かないです。
スタートからゴールまでの過程を“考える”のがボルダリングの醍醐味のひとつ。自分の身体の感覚は自分にしか分からないこそ、できるだけ自分で考えてみてほしいし、初めての時からそれを少しずつ経験してほしいのです。もし失敗したとしてもそれが経験の蓄積になります。
もちろんまずは成功体験を味わってほしいというのはもちろんそうなんですけどね、分かります。
でもずーーっとひたすらその調子だといつまでも自分自身の力を感じて自分で考えるということを経験しないので、なかなか上達できない事態にも繋がっちゃって本当にもったいないです。
だから、アドバイスする側はまずせめて1回は自分で考えさせてあげて、“手取り足取り“はやっても初日くらいに留めたほうが良いと思います。
アドバイスするとしたら「こうやって登れた人もいるよ」「自分はこうやって登ったよ」という選択肢を増やすような感じとか、「この動きができたら楽に登れるかもしれないよ」というムーブのやり方のアドバイスとか、そういうところじゃないでしょうか。道筋の全てを後ろから教えるのは単なる操り人形になっちゃいます。
はっきりと「ちょっと自分で考えたいから何も言わないで」って言える人もいます。でも、言えない人もいるし、そもそも考えることの楽しさに気付けない人も出てきちゃう。
そうならないために、アドバイスする時は「操り人形にしてしまっていないか」を少し注意してみてください。
また、そもそもその人がアドバイスを受けたいのかにも気を付けてみてください。教えてほしくなさそうなのにどんどんアドバイスを押し付けてその人が迷惑だと感じてしまったら、それはたとえ良いアドバイスだとしても「教えたがりさん」になってしまいます。
的確なアドバイスならその人のためになるし、とても楽しい時間になります。
マナーに配慮して、お互いに気持ちよく登れる環境を作りましょう!
具体的にいろいろ書きましたが、安全上のルールとしてもマナーとしてもとにかく
「いったん落ち着いて、よく周りを見て、それから動き出す」
最低限それができればだいたいのことはOK!
周りも見ずに突発的・衝動的に動き出さない・周りの状況に気を配る・我先ではなく譲り合うなど、例えば駅のホームみたいな公共の場で気を付けるようなことにちゃんと気を付けることができれば大丈夫です。
「自分も、周りの人も楽しめるように」の気持ちで、お互い気持ちよく楽しみましょう!
\「ボルダリング」で検索してみて!/